皆さんこんにちは。RECOMOの橋本 祐造です。
私自身いくつかの企業のCEOの方とお話しをしていて、考えさせられることがあります。
CEOとしてどんなことを求められているのか、どんなことに集中していけばいいのか、自分なりに考える場面が多くあります。
今回は、経営者が経営の仕事に集中するためにどうしたらいいのか、という話をします。
緊急事態で社長が現場に乗り込んでいくと湧き上がる感情
CEOの仕事は幅広くたくさんあります。
特に最近だとコロナの影響で会社の状況、事業の状況が、各社ともに火を噴いている状況だと思います。
今は有事で、現場に入ることを求められるので、そこに集中してしまうというところもあるかもしれません。
それは事業の継続をさせるという意味で非常に重要なことですし、リソースがないのであれば社長がやらざるを得ません。
それを現場の人たちと一緒にやっていくのも大事なことです。
現場の人たちからすると、社長自らが現場に乗り込んで来て、一緒にやってくれるということは士気も上がるので、とても大事なのですが、少し時間が経つと、この先自分たちはどうなるのだろう?どこに向かっているのだろう?と感じてくるものです。
見える時間軸が異なる
現場の人たちが自ら「自分たちはこっちの方向へ行くんだ!」と考えが出てきたとしても、それは数年間などの短い未来を描くことが多くなります。
もっと先の未来、10年、20年、30年…100年先、もしかしたら自分自身はもうこの世にいない状態かもしれませんが、その状態ですらも未来の状態として社会、自分たちの会社、おかれているコミュニティー、市況感がどういう風に変わっていくのかというところを予想して未来のありたい姿を描いていけるのは、経営者しかいません。
ただ、この時に問題があります。
それは考える為の時間と体制です。
もしくは挑戦をするための時間です。
ほとんどの会社の社長はいつもこう言います。
「時間がない」
そういう時に出てくるのが「権限委譲」をしたらいいのではないか、という話です。
解説動画はこちら
権限委譲は能力があるからではなく、役割があるから実現する
権限委譲する時にも起きやすい問題がいくつかあります。
- 自分が入っていかないと上手くいかないのではないかという不安
- 既存の事業が崩れていってしまうのではないかという不安
もちろん、その気持ちは間違っていないのですが、いろいろな過去の事例をみてみると、「その人がいないとその事業が回らない」ということは、そのほとんどが妄想です。
そもそもその人がいないと回らないという事業だとその事業は立ち行かないし、属人化が過ぎてしまっています。
その人の器を超えていくことはないのです。
それよりも仕組みをつくって、そこから離れていく、次の人に任せて信じるのです。
見守ってみる。困っている時にはもちろん相談に乗るものの基本的にはその仕事を任せます。
そうすることによって、自分たちがいなくなった状態でもどういう風に回さなくてはいけないのかを初めて状況に置かれた時に考え始めるのです。
この時点で初めて権限委譲が生まれます。
よく間違えてしまうのが、能力があるから権限委譲が出来るのではなくて、「役割があるから権限委譲が出来る」のです。その役割をきちんと任せて見守ってみる、成長を見守ってみる、始めは上手くいかなくても徐々に上手く回っていく、そして経営者として更にその成長を促していくことが求められるのではないかと思います。
権限委譲によってできた時間で経営者がすべきこと
権限委譲で出来た時間を使って、経営者として自分は何をすべきなのか、未来に対してのありたい姿を考える為の時間、いろいろな人と対談をしたりして思考を広げていくということが求められます。
思考を広げた先に何があるのかというと、自分たちの考え方や思想の部分、大事にしたいカルチャーや哲学の部分、思い描く未来の世界観になります。
こうした部分を社内外に発信をしていきます。
そうすることで、自分たちを引っ張って行ってくれる経営者はもっと先の未来を見ているんだということが分かり、今の現場の行動が変わっていきます。相乗効果として行動に変化がおきます。
今こそ経営者が発信することとは
経営者が何をすべきなのかというと、思想とか哲学とか世界観を、未来のありたい姿に対してどんどん発信をしていく、ということです。
ボトムアップをしていくことも大事なのですが、トップライン(頂点)を引き上げていくということは経営者にしかできないことです。
それこそが今やらなくてはいけないことだと思います。
Twitter等のSNSで発信しているのですが、「経営者が経営の仕事をできていなかったら誰が経営の仕事をするのですか?」と問いたいです。
経営の仕事とは未来を描いてそこに対して今をどんどん変えていく、というのがそれぞれの役割のところで求められていることだと思います。
これをぜひちょっといろいろな方々にやって頂きたいです。もちろん、私もやっていきたいと思っています。
参考記事