急成長する企業のCEOに求められる役割【成長を持続できる人に共通する特徴】

CEOの役割

これまで、急成長、急拡大していく複数の企業で、CEOと仕事をしてきました。

CEOにもいろんなタイプがいましたが、大きく分けて「成長を持続させることができる人」と、「自ら墓穴を掘って会社の成長を止めてしまう人」の2つのタイプの人がいるな、と感じてきました。

今回は、急成長する企業のCEOに求められる役割として、最も重要なことは何か、成長を持続させることができる人に共通することは何か、を取り上げてみます。

急成長する企業のCEOに求められる役割「自分を大切にすること」

急成長する企業のCEOには同時に様々な役割が求められる。

・会社の方針や戦略を設定し、それを社員、顧客、投資家に発信し続ける
・企業文化を大事にしながら、文化にマッチする人材を採用し、育成し、配置する
・事業計画に沿って資金調達して、適切に割り当てる
・人や組織の問題解決に多くの時間を費やす
 

特に求められるのは「事業戦略の策定」と「企業文化の醸成・浸透」だ。頭ではそれが正しいことだと理解していても、会社が急成長、急拡大している環境では、経営チームの体制が整うまで、対応する時間はなかなか取れない。

外部の人に相談をしたり、書籍を読んでも、「事業戦略」と「企業文化」がCEOに求められる役割として大事だと言われる。次第にそれが満足にできない自分に疲れてきて、心が折れてしまう人もいるほどになる。

会社の勢いやパワーの源は間違いなく「CEOの魂の状態」にある。CEOが一番最重要に大事にしないといけないのは、「自分を大切にすること」になります。

CEOがすべてを抱えると起きること

どんなに実力や実績があるCEOでも、残念ながら「人」であることには変わりありません。一つの領域でやる仕事がたくさんある状態なら何とか乗り越えられるかもしれません。

しかし、CEOの立場で会社全体の領域ですべてを抱え込むと、かなり高い確率で「燃え尽き症候群」に陥りやすくなります。

私自身も自他ともに認めるほど「あなたは精神的に病むことがない」と言われていましたが、すべてを自分でやろうとした時に、心が折れそうになり週末に倒れてしまうことが何度もありました。

CEOが燃え尽き症候群になり、会社で実際に起きたこと

私の友人のCEOの会社で実際に起きた話があります。私に相談する前に、CEOがすべての業務を抱え込む状態にはなりましたが、事業としてはかなり成功して、キャッシュを得ることができました。

しかし、社員からは「とりあえず全部CEOに任せておけば大丈夫」という雰囲気になり、自分ごとで事業の責任を取る人はいなくなってしまいました。

社内で相談できる人もいなくて、でもやらないと事業が立ち行かないと思い、無理をして頑張ったところ、ある日の朝、大事な打合せがあったのですが、どうしても布団から出ることができなくなってしまったそうです。

まさに燃え尽き症候群。診察の結果「うつ状態」とのことでした。そこから約半年間、社長が出社できない状態になりました。

問題はそこから起きました。会社の経営は信頼していた右腕のCOOに任せていました。自分が出社できない中で「やってもらっている」感が強かったので、報告をすべて信じて、指摘もほとんどしていなかった。

ある日、事業で重要な人材から退職の連絡をもらい、理由を聞いたら、右腕のCOOの裏切り行為が公然と行われているという話でした。

CEOの味方をしている人材は次々に追い込まれて退職させられ、事業の主要ポジションはCOOの息のかかった人材を社内、社外から次々に採用、昇格させて、完全に乗っ取られる流れになっていました。

CEOはそこから何とか復活して、出社して、ギリギリのところでCOOを降格・排除して乗っ取りを阻止することができたそうですが、一番大切にすべきは事業ではなく「自分」だった、と何度も言っていました。

CEOが自分を大切にするための具体的な3つの方法

①タイムマネジメント

ぜひオススメしたいのは「カレンダーを週次・月次で振り返る」こと。

自分の中で「理想的な時間の使い方、配分」を考えた上で、週次、月次の期間で実際値を振り返り、改善できるところはないか、を把握した方がいい。

私もタイムクラウドという時間管理サービスを使って、秘書の人と毎週、毎月で理想的な時間の使い方・配分と実際のデータを見比べる時間を、毎週15分〜30分取るようにしている。

毎週振り返る時間を持つ習慣を持つことが大事。おそらく最初は想定している時間配分と実際のデータは大きく異なるはず。一つずつ改善していく。そのサイクルを週次・月次で繰り返していくと、2、3ヶ月後に「CEOとしての自分の時間は、完全に把握できている」状態になるはずだ。

②権限委譲

CEOがすべての領域を対応するのは物理的に不可能で、おそらく掛かる時間も相当増えるだろう。いかに人にやってもらうか、を考えた方がいい。

ここで大事になるのが「CEOとして最高に価値発揮できることは何か」を考えることだ。おそらく最高に価値発揮できること、とは、「心の底から本当にやりたいことに取り組んでいる時」だろう。

心がワクワクすること、最高に価値発揮できること以外は、人に任せるを基本原則にして、体制を作ることにできるだけ早い段階から注力した方がいい。

③意識的に長期間の休暇を取る

メンバーが事業を自分事として捉えてくれるようになる最高の方法は、CEOがその場からいなくなることだ。現場の仕事を最高に回すことができるのはCEOではなく、現場のメンバーになる。

事業のことが気になるから、と言って、いつまでもCEOがいるのは、組織成長の観点で本当に邪魔な存在になる。現場のメンバーは「CEOがいつもいるので安心です!」と口では言うけれど、それは自らの成長の機会を放棄していることでもある。

またCEOが休暇を取る姿勢を見て、初めて安心してメンバーは休みを取得することができる。リフレッシュする意味でも、2週間以上の単位で意識的に長期間の休暇を取ることをオススメしたい。会社はCEOがいなくても意外と回る。

会社が急成長するかどうかの分かれ目はCEOの決断にある

これまで見てきた急成長、急拡大する企業のCEOに共通する特徴がある。

CEOが「自分が最大の価値発揮できるところに集中できる体制」をいかに早い段階で作れるか、が急成長するかどうかの分かれ目になる。

この事実にCEOが早く気づいて、企業理念をベースに経営チームを作り、自分が最大の価値発揮できる以外のところを人に任せられるか、そういう体制を丁寧に作ることができるか、にすべてが掛かっている。