皆さん、こんにちは。RECOMOの橋本祐造です。
今回は「経営者はミッション・ビジョン・バリューの必要性」をテーマにお話させていただきます。
経営者の方が会社を立ち上げると、色々な場面で「あなたの会社のミッション・ビジョン・バリューはなんですか?」と、聞かれると思います。
例えば採用する時、他の会社と事業提携する時、金融機関から資金調達をする時など、
貴方たちは今…
・どのようなことをやっていますか?
・どこに向かいたいのですか?
・何をやっていきたいのですか?
・どのような仕事をやっていきたいのですか?
このようなことを聞かれるわけです。
自分たちは一体何者なのか、どこに向かっているのか、どうありたいのか(これはスタンスの部分です)。
主に、この3つのポイントについて聞かれます。
それを直接的に表現しているのが「ミッション・ビジョン・バリュー」になるのです。
私自身も今までに多くの企業の経営者の方と「ミッション・ビジョン・バリュー」についてお話をしてきました。
その中には、ある程度の会社規模になってきたタイミングで、「そろそろ我が社も策定した方がいいのではないか?」と相談を受けたり、逆に「そもそも我が社には必要ない」とおっしゃる経営者もいたりと、様々でした。
「我が社もミッション・ビジョン・バリューをつくろうかな?どうしようかな?ちょっと考え直そうかな?」とお悩みの方は、多くいらっしゃると思います。
今回は、ミッション・ビジョン・バリューの意味・意義、どうやってつくるのか、浸透・活用をどうすればいいのか。
このようなことについてお話させていただきます。ぜひ最後までご覧いただけますと幸いです。 本記事のポイント
- ミッション・ビジョン・バリューを決める理由は5つある
- 「遠い未来」を実現したい時には必ず必要になる
- どのようにミッション・ビジョン・バリューをつくるのか
解説動画はこちら
ミッション・ビジョン・バリューの定義とはなにか?
最初に「ミッション・ビジョン・バリュー」とは何か?についてお話させていただきます。
これには様々な定義があるのですが、まずミッションとは、主に「自分たちは一体何者なのか?」ということです。
「この世の中で存在している意味・意義とはいったい何なのだろうか?」がミッションであり、日本語で言うと「使命」ということになります。
次に、ビジョンですが、「自分たちは一体どこに向かっているのか?」という未来の方向性を示すものになります。
しかもそれは「目に見える形での方向性」であることが重要です。
そして、バリュー。これは簡単に言うと「自分たちはどうありたいのか」ということです。
「こんな考え方・行動をすることによってミッションとビジョンが実現できる」という、スタンスを言語化したものがバリューになります。
このミッション・ビジョン・バリューを経営者が考える時に悩まれるのが、「本当に策定する必要があるのか」という部分になります。
多くの企業様とお話をしてきた経験を踏まえた上で申し上げると、「仲間と一緒に組織として大きな目標を達成したい」「遠い未来に向かって歩み出して行きたい」と考えるのであれば、絶対に必要なものだと私は考えています。
ミッション・ビジョン・バリューを決める必要性
そして、ミッション・ビジョン・バリューを決める必要性は主に5つあるのではないかと思っています。
その1つ目がミッション・ビジョン・バリューを決めることで、会社という存在が経営者の“個人格”から、“法人格”に替わるということです。
2つ目の理由は、採用する時の基準になるということです。
実際に応募してきた方が、その会社のミッション・ビジョン・バリューに対して共感をしてくれているかが、採用する時の基準になってくるのです。
どれだけスキルや経験値、実績がある方でも、その考え方、マインドの部分がズレていると、もしかしたら組織を壊してしまう存在になるかもしれません。
ですので、採用する時の基準としても、ミッション・ビジョン・バリューは活用できると考えています。
3つ目の理由は、現場のマネジメントにおける多くの場面での意思決定の基準になっていきます。
その会社の考え方、向かっていく方向性、あり方に照らし合わせた時に、自分たちが今とっている行動・考え方が、マッチしているのかどうか、すぐに振り返ることができます。
ミッション・ビジョン・バリューのない会社だと、経営者が正しいかどうかの判断を毎回しなくてはなりません。
しかし、考え方・価値観・行動規範が言語化されていれば、現場でも判断ができます。すなわち、意思決定スピードが速くなるということです。
4つ目の理由は、社員の行動に対してのフィードバックができ、評価の基準になるということです。
ミッション・ビジョン・バリューがないと、評価をする側は、自分の考え方に照らし合わせて「これは良かった、これは良くなかった」と主観でフィードバックをしてしまう可能性があります。
そうすると、フィードバックをされた側からすると「これは正しい評価をされているのか?」という不安や不満が出てきてしまうと思います。
最終的には、評価者の主観に合わせた行動をするようになり、事業を正しい方向に推進できなくなるかもしれません。
そうではなく、特にバリューの部分が重要になるのですが、このバリューを明示し、その基準と照らし合わせた時に、「その人の行動・考え方・動き方というのは一体どうだったのか?」というフィードバックがお互いに納得した中で出来るようになります
最後の5つ目、これが非常に大事なのですが、「人によって合う/合わないが決まってくる」ということです。
当然、人間はずっと同じ考え方、行動スタイルというわけではありません。
色々な経験値を積む中で、考え方や行動スタイルが進化していく、変わっていくものです。
その中で自分が所属している組織のミッション・ビジョン・バリューに照らし合わせた時に、「合う/合わない」が出てくるわけです。
残念ながら合わないということになった場合は、転職したり、自分で何かを始めたりというような形に変わっていくと思います。
ミッション・ビジョン・バリューは、人に対しての合う/合わないの基準になっていくもので、とても重要な考え方になってくるのではないかと思います。
この5つの理由が、経営者がミッション・ビジョン・バリューを決める重要なところになるのではないかと考えています。
どうやってミッション・ビジョン・バリューをつくるの?
それでは、「実際にどうやってミッション・ビジョン・バリューをつくっているの?」という話になります。
私たちが立ち上げた『RECOMO』という会社にも、ミッション・ビジョン・バリューはありますが、どのように考えて、つくりあげていったのかご紹介します。
最初に「原体験」の部分です。
自分たちが今までどのような人生を歩んできて、その中で色々な出来事、失敗したこと、上手くいったことなど、その背景にある想いやその行動の意味は何だったのか、という本質の部分を深堀していきます。
そうすると、自分が抱えている本当はやりたいと思っていたけれど出来ない問題の本質、課題の本質、逆に自分の得意としているところなど、原体験を深堀する中から出てくるわけです。
そして、次に何がポイントになってくるのかというと、自分たちが本当に心の底から大事にしたいと思っている価値観や考え方について掘り下げていきます。
その上で、自分たちのストーリーをつくります。なぜ会社を立ち上げるに至ったのか、自分たちが何を大事にしたいと思っているのか、どうありたいのか、そして、どこに向かって行きたいのか。これらをストーリーとしてまとめていきます。
そこから次に、サービス設計や事業設計を行っていきます。このような流れで、我々もサービスや事業をつくっていきました。
私たちのRECOMOという会社でもミッション・ビジョン・バリューは本当に大事にしています。
例えば、ご相談いただいたお客様に対して、「実際にサービスを提供して、力を発揮できるか。お互いのwinにつながるか」という選定の基準になりますし、業務委託や事業提携をする際にも、「一緒の方向を向いて出来るのだろうか?」という判断基準になっています。
単純に「スキルとか経験値があるから提携する」とか、「目の前の課題解決ができるからお手伝いをする」ではありません。
そもそも、自分たちのミッション・ビジョン・バリューに照らし合わせた時に、「ご依頼を私たちが受けることによって最大のパフォーマンスを発揮できるのか」が、とても大事なポイントになってきます。
そのような経営判断の基準になるのが、ミッション・ビジョン・バリューです。
そして、ミッション・ビジョン・バリューのことを考える時に経営者の方から出てくるのが、「それは一体売り上げにどれくらい影響するものなのか?」ということです。
確かにその気持ちも分かります。ミッション・ビジョン・バリューを実際に言葉にする時に「原体験」「自分たちが大事にしたい価値観」「自分たちはどこに向かって行くのか」というビジョンをつくり、それを事業やサービスに落とし込んでいくと、多大な時間がかかります。
その過程の中で「全然進まない」「実際につくったけれど浸透しない」「活用できずつくった意味がない」という方もたくさんいらっしゃると思います。その気持ちも大変よく分かります。
目先の課題や目先の売り上げであれば、もしかすると、ミッション・ビジョン・バリューをつくり法人格へ持っていくより、トップダウンで経営者が指示を出して社員を動かしていった方が、スピードが速いかもしれません。
しかし、問いたいのは「どこを目指すのか?」ということです。
仲間・組織として、遠くの未来を目指していくのであれば、ミッション・ビジョン・バリューは必ず必要になってきます。
「どこを目指すのか」は、一人では実現できない遠い未来、何か大きなやりたいことが合った時には、多くの仲間や協力者の力が必要になってきます。
その方々が、「よし!自分たちの力をこの会社に貸そう!」と思ってもらうためには、その人たちが何者で、どこに向かっていて、どうありたいのかがないと、そもそも自分の力や時間を使っていいのか、判断できないと思います。
そのような時にも、ミッション・ビジョン・バリューが力を発揮してくるのではないでしょうか。
さいごに
今回のまとめですが、経営者の方がミッション・ビジョン・バリューを決める判断軸という上では、仲間と組織を使って遠い未来を目指す時には、必ず必要になってきます。
- ミッション:自分たちは一体何者なのか?(社会の上での存在意義)
- ビジョン:自分たちはどこに向かっているのか?
- バリュー:自分たちはどうありたいのか?(スタンス)
ミッション・ビジョン・バリューをつくる上では、自分たちの過去の体験、これまでの人生観の中でどういった行動基準でやっていきたのか、どういう考え方でやってきたのか、というところがベースになります。
例えば他の会社で使われているものと同じワードであったとしても、自分たちのそれまでのストーリーやエピソードが背景にあることによって、同じ言葉を使っていても、持つ意味が変わってくるのではないかと思います。
ぜひ時間がかかったとしても、自分たちの今までの体験と大事にしたい価値観、目指している方向性を重視してミッション・ビジョン・バリューをつくっていて欲しいと思っています。
RECOMOでは、会社をどのようにつくっていけばいいのか、会社をどのようにまとめていったらいいのか、今回のようにミッション・ビジョン・バリューをどのようにつくっていったらいいのかなど、このように経営者の方が悩まれている課題に対し、多くの相談を受けながらサービスとしてご提供させていただいております。
少しでも「相談してみようかな」とご興味を持っていただけたら、遠慮なくご連絡いただけますと幸いです。
必ず何かしらの力になれるのではないかと思いますので、お気軽にお問いあわせください。
今後も、経営者が企業や事業の運営をする上で、役立つ情報や考え方をお伝えをさせていただきます。
ぜひ次回もご一読いただければ幸いです。