皆さんこんにちは。RECOMOの橋本 祐造です。
今回は、経営者に特に求められる力の一つとして、人の心を掴む話をしていく時に「ストーリーが持つ力」には凄く大きなものがある、というのを紹介します。
ディズニーキャストのオリエンテーション動画の凄さ
ストーリーについてはよく質問を受けますが、私の中でストーリーというと、いつも思い起こすのは大学の4年間でやっていたディズニーランドでキャストの経験です。
これまでにもお話させて頂きました。
私自身はそもそもディズニーランドが好きで働き出したわけではなく、たまたま応募した先がディズニーランドでした。
過去に遊びに行ったことはありましたが、特に思い入れもありませんでした。
しかし、働くことが決まって、初出勤の最初のオリエンテーションでとても驚いたものを見ました。
それは、動画です。
ウォルト・ディズニーがどういう人で、ディズニーランドがどういう想いでつくられたのか、どんな苦労や挫折があったのか、それをどうやって乗り越えて、だから今この場所がある、そしてこの場所はどういったことを人に対して伝えたくて、どういったことを体験してもらいたくて築いてきたものなのか、という場所を今ここにいる貴方も一緒につくっていきましょう!と感情に訴えかけるような内容でした。
その映像はディズニーが作ったものなので、演出やストーリーは上手い作りになっていたものの、それ以上にストーリーがポイントでした。
ウォルト・ディズニーがどういう人で、どういう風な想いでこういった場所をつくったのかというところが、20年以上経った今でも鮮明に心に残っています。
だからこそ、ディズニーの持っている世界観に対して共感をしていて、好きという気持ちが生まれてきます。
ストーリーを語ることで初めて心が動く
よくここで出るのが、「それはディズニーランドだからできるのではないのか?」ということです。
ブランドの持つ力、キャラクターが持つイメージで、そういうこともあるかもしれませんが、それよりもポイントが重要です。
いきなり結論で「ディズニーランドはこういう場所」を伝えるのではなくて、そもそもこの場所はどういう成り立ちで出来てきたのか、これまでの体験やいろいろな出来事が起きてここに至っているのか、このストーリーのところをキッチリと伝えていった上で、その中で得られた学び、気づき、発見というところをきちんと伝えていき、それを踏まえて今何をしているのかを伝え、この先何をしたいのかを伝え、一緒にお仕事をやりましょうとストーリーと共に伝えることがとても大事だと思います。
解説動画はこちら
「ここに来るとお金がたくさん稼げます。」「環境がいいです。」=箱の話
過去の歴史が分からなかったり、見えなかったりするのにいきなり素晴らしいものをバンッと魅せられても、自分に必要なのか悩み、スムーズに受け入れてもらうのは難しいです。
仮に受け入れられても記憶に残りません。
記憶に残るには何が必要なのか、というとストーリーが必要になっていきます。
自分たちがどういうところからやってきて、どういうところを大事にしているのか、自分たちはどこに向かっているのか、だからこういったところで一緒にやらないか、と伝えていかないと人の心は動いていかないし、人のパフォーマンスが上がるという意味での可能性や価値が広がっていきません。
これらを伝えずに「ここに来るとお金がたくさん稼げます。」「環境がいいです。」などと言っていると、それは全て箱でしかないのです。
ハード面に過ぎません。
それより人の心や感情を動かして、パワーとかパフォーマンスをもっと引き出していくことを考えていかないと行動は促せません。
ストーリーが持つ力は、あなたが思っている以上にとても重要で、もの凄いパワーを持っている
大事なのは自分たちの体験、これまでのヒストリー(歴史)を語っていって、ストーリーとして伝えていく、その中で得られた気づきや学びもしっかりと伝えていく、その上で今やっていることと繋がっていることを伝えます。
こうすることでみんなの心を一つにしていくことができます。
組織づくりで、少し会社の雰囲気が停滞気味だったり、上手くいっていないということで困っている方がいらっしゃいましたら、何より大事なのはこれまでの体験、ヒストリーを語ることです。
もちろん、会社だけではなく、社長や経営者自らのこれまでの体験だとか想いを伝えることでその人の心が動き出すと思っています。
ストーリーが持つ力というのは、あなたが思っている以上にとても重要でもの凄いパワーを持っています。
それによって人の気持ちや組織が前進していくのだったら恥ずかしがったり躊躇するよりも、上手くいかない時こそ、その想いを出していく事が大事なのではないかと思っています。